「サーブが安定せずダブルフォルトが増える…」
「力を入れているのにスピードは出ないしコントロールできない」
「トスが毎回バラバラで、どこを打っているのか自分でも分からない」
40代になるとサーブの入らなさを痛感する人が急増します。これは技術が落ちたわけではなく、身体の変化や若い頃のクセがそのまま残っていることが原因です。
この記事では、40代のサーブが入らなくなる根本的な理由と、特に見直すべき3つの癖をわかりやすく解説します。
■ 40代がサーブで悩みやすい背景とは?
40代になると、ほとんどのプレイヤーが「サーブの再現性」に悩みます。サーブは全ショットの中で最も体全体を使う技術であり、身体機能の変化が顕著に影響します。
・肩・肘まわりの可動域が狭くなる
・股関節の硬さで踏み込みが浅くなる
・ジャンプや反り返り動作が低下
・疲労が溜まりやすく、動きのバラつきが出る
・反応速度の低下でリズムが作れない
これらは「衰え」ではなく自然な変化ですが、若い頃のフォームのままでは噛み合わず、結果としてサーブのミスが増えてしまいます。
■ サーブが入らない原因を3つの視点から整理する
40代のサーブが安定しない原因は、主に以下の3つです。
● 技術面の問題
・トスが高すぎて毎回落下位置がブレる
・インパクトの面の向きが安定せず、ネット・アウトの両方が増える
・スイングの軌道が毎回違う
・体が早く開き、力の伝達が途中で途切れる
● 身体面の問題
・肩の可動域が狭く、スムーズに振り上げられない
・背中・体幹の弱さでフォームの軸がブレる
・股関節が硬く、踏み込みが弱い
・疲労によりリズムが崩れやすい
● ラケット・ガットの影響
・ラケットが重すぎて振り遅れる
・硬いガットで球離れが速く、コントロールしにくい
・テンションが高すぎてスイートスポットが狭く感じる
40代は「扱いやすいラケット」「柔らかいガット」のほうが安定性が向上しやすく、サーブにも良い影響を与えます。
■ 40代が特に直しやすい“3つの悪い癖”とは?
ここでは40代のプレイヤーが共通して持ちやすく、改善すると効果が大きい3つの癖を紹介します。
① トスが高すぎる・遠すぎる
40代で最も多いミスが「トスの位置と高さのズレ」。
特にトスが高すぎると落下スピードが増してタイミングが合わず、体が伸び切らないうちに打ってしまうためミスが増えます。
■ 今日からできる改善ポイント
・トスは「自分の打点の少し上」に
・前に上げすぎず、ベースライン上に落ちる程度
・腕の力を抜き、同じ軌道で上げる練習を10回
トスが安定すると、サーブ全体が劇的に変わります。
② スイングの途中で力む癖
力んでしまう瞬間があると、面が急に変わって安定しません。
40代は肩や腕の可動域が狭くなるため、無理にスピードを出そうとして力むケースがとても多いです。
■ 今日からできる改善ポイント
・構えた時点で肩と腕の脱力を意識
・インパクトまでは8割の力で振る
・フォローで自然に加速する感覚を掴む
「頑張って振る」ほどサーブは入らなくなる──40代にはよくある現象です。
③ 体が早く開く(オープンすぎ)
体がボール方向へ早く向いてしまうと、サーブの力が散ってしまい、スピードもコントロールも失われます。
40代は腹筋・体幹まわりの支えが弱くなりやすく、この癖が出やすい世代です。
■ 今日からできる改善ポイント
・打つ前に横向きを少し長めにキープ
・左腕(右利きの場合)の使い方を改善すると開きを防ぎやすい
・フォローの方向を一定にする
■ 40代が実践したい「省エネで入るサーブ練習」
練習時間の確保が難しい40代でも、短時間で効果の出るメニューがあります。
● ミニサーブ練習
サービスライン付近からサーブ動作を再現。フォームの軸が整います。
● トスだけの反復
10回同じ位置に上げる練習をするだけで安定感が大きく変わります。
● スローサーブ練習
ゆっくりしたスイングでコントロールを確認。力みが取れるため非常に効果的です。
■ 40代からの体づくり:サーブを安定させるための基礎
サーブは全身運動のため、40代は体の土台を整えることで安定性が大きく変わります。
● 肩甲骨ほぐし
肩が回るようになると、無理なくラケットを振り上げられます。
● 股関節ストレッチ
踏み込みが深くなり、体の回転がスムーズに。
● 体幹トレーニング
体がブレなくなるため、面の安定=サーブの安定につながります。
■ 試合でサーブが崩れる理由とメンタルの整え方
40代は試合で緊張すると、体のコンディションに精神的な反応が加わるためミスが増えやすくなります。
・力んでトスが乱れる
・リズムが速くなって準備不足になる
・「入れなきゃ」という意識が面の向きを乱す
■ メンタル面でできる工夫
・深呼吸でリズムを整える
・「ゆっくり構える」を意識するだけで大幅に改善
・一本目は回転量重視で入りやすいサーブを選ぶ
■ 怪我を防ぎながらサーブの安定性を高める方法
40代が避けたいのは、肩・肘の怪我。
怪我をするとサーブ動作が怖くなり、さらにフォームが崩れて悪循環になります。
・練習前の肩甲骨ウォームアップ
・疲労が溜まった日は無理に打ち込まない
・軽めのラケットと柔らかいガットで肘の負担を軽減
小さな意識で怪我を防ぎ、長くテニスを楽しめる体を作っていきましょう。
■ よくある質問(FAQ)
Q1:40代からでもサーブは良くなりますか?
A:はい。フォームの癖を少し直すだけで安定性は大きく向上します。
Q2:トスが毎回ずれるのですがどうしたらいい?
A:まずは「高さを低めに統一」するだけで改善しやすいです。
Q3:力みがどうしても取れません。
A:スローサーブ練習を取り入れると、自然に脱力が身につきます。
Q4:ラケットを変えるとサーブも変わる?
A:扱いやすいラケットや柔らかいガットにすると、振り抜きやすくなり安定します。
■ まとめ|40代でもサーブは必ず安定する
40代のサーブが入らないのは、技術が落ちたのではなく「昔のフォームが今の体に合っていない」だけです。
トスの位置
体の開き
スイング中の力み
この3つを改善するだけで、サーブの安定感は劇的に変わります。
また、身体づくりとメンタル面を整えることで、試合でも安定したサーブが打てるようになります。
テニスは40代からがもっと楽しくなるスポーツ。
今日の練習から、小さくて続けやすい改善ポイントを取り入れてみてください。

